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古畑任三郎ゼロ

葉っぱ隊

葉っぱ一枚あれば良い、そうした安易な発想がときに人生を台無しにしてしまうということを理解するには当時の私は若すぎた。ほとんどそれが唯一の真実であるかのように振る舞い、明るい未来を信じてやまなかった。だが、いま振り返ってみれば本当はそれで良かったのかもしれないし、悔やんだところで今さらどうにかなるものでもない。



目撃者

「わたし、見たんだから」
柴田理恵の証言が決め手となり、男には死刑が言い渡された。冤罪が明らかになったのは刑の執行から三週間後のことだった。



本仕込み

朝はパン、その頃の自分がどうしてそこまでパンに固執していたのか、今の由樹には全く思い出せなかった。その頑迷さのせいで何度も人と衝突し、離れて行った友人もいた。パンパパン、何気なく口にしてみると、そうした苦い記憶が呼び起こされ、強い後悔に襲われた。

由樹はトーストを頬張った。トーストは、自分の気持ちとは関係なくいつも美味しかった。



友達の彼

ゆきちゃんのカレシはちょっとヘン。携帯はいまだにガラケーで、しかも通話機能しか使わない。服は一年中白シャツで、必ず第一ボタンまで留めている。お風呂に入るときは石けんもシャンプーも使わないらしい(もともと肌を守っている油まで失われてしまうとか)。でも、ゆきちゃんはとても幸せそうで、ホントはめちゃめちゃ羨ましい。





「いつかテレビでやってたみたいにヒッチハイクで北米を横断しよう」 彼は冗談混じりに話していたけれど、私は本気だった。彼とならどんなことでも出来るような気がしていた。 今、私は西船橋にひとりで住んでいて、ジャングルジムの一番上から下にいる小学生におしっこをかけることだけが楽しみだ。



ヘチマ

女は働いている幼稚園で最もよく育ったヘチマをもぎとると、たまたま近くにいた園児の頭めがけて思い切り振りおろした。ヘチマは粉々に砕け散った。
女は自分で自分の人生棒に振ってしまった。そうなることは分かっていたのに、どうすることもできなかった。



高橋英樹氏への反論

正解は越後製菓ではない。



読み聞かせ

おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。ふたりは独立した関係を保ち、互いに依存することがなかったので、子を成さずとも、おじいさん、おばあさんと呼ばれる歳まで共に暮らし続けることが出来たのだ、それこそが夫婦円満の秘訣なのだ、とおじいさんは信じていましたが、おばあさんの方はもう随分前から全部がどうでもよくなっていて(もうおばあさんだし)、かと言って積極的に死にたいと思えるほどの気力も持ち合わせておらず、毎日、このまま目が覚めなくても全然良いんですけどね、と思いつつ床に就き、ほのかな絶望と共に目を覚ましていました。良好な人間関係というものの多くは、実のところ、こうした幸福な誤解に基づいているのではないでしょうか。

そう締めくくって母は私を寝かしつけた。それがいつのことだったかは覚えていないが、その昔話が母の創作であったことは間違いない。娘の私から見てもきわめて仲むつまじい夫婦と思われた父と母であったが、当人たちにしか分からない軋轢があったのだろうか。あるいは物語の内容と、その語り手の内面を混同すべきではないのだろうか。いずれにせよ、夫婦であれ親子であれ、他人のことを理解するなんて到底できっこないのだ。

そんなことを考えているうちに電車はテレコムセンター駅に到着した。女は東京お台場大江戸温泉物語に入場し、都心にいることを忘れさせてくれるダイナミックな温泉に癒され、「江戸寿司」でお得な盛り合わせメニューを堪能した。

みなさんも一度訪れてみてはいかがかな?


ログ

マルシア さんが退出しました。



三谷から送られてきたメールに書かれていたのは9つのほとんど意味をなさない文章の塊だった。これのどこが古畑任三郎の前日譚の概要なのだろうか。彼の才能はすっかり枯渇してしまったらしい。事実、その後本人に会ったときも、寄り目でゆっくり舌を出しながら「ごぼうって棒?」と聞いてくるばかりだった。彼のような素晴らしい才能を失ったことは、日本にとって大きな損失だ。

Unforgiven

本当はとうの昔に許していた。今となっては、どうして許さなかったのか、そもそも何を許さなかったのかすら思い出せない。ただ、許してしまって、許さなかった頃の自分を否定してしまうことだけは許せなかった。許さない時間が長くなればなるほど、後戻りできなくなり追い込まれていった。許していないと自分に思い込ませて生きて行かなければならないのが辛かった。かつて許さなかった仲間たちも、今ではすっかり許してしまっていて、許していないのはもはやこの世界で自分だけだった。どうしてこんなことになってしまったのだろう、どうしてもっと上手く生きて行けなかったのだろう、しかし今となってはもうどうでもいい。あたしゃこの世界に許されることはなかったんだ。もう終わりにしよう。




ここで浅香の手記は終わっている。
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